勉強のやり方が分からないマジメな男の子が、英語の点数を36点から82点にした話

登場人物

レイ君がナビにやって来たのは、彼が中学校2年生の8月でした。テストの点が上がらない事に痺れを切らしたお母さんがナビを知って、体験授業を受けに来たのです。

話を聞くと、レイ君の直前の1学期期末テストでは英語36点。そして数学も30点台。他の教科が70点台なのに、この2教科だけが飛び抜けて悪い状況でした。レイ君自身が「英語が一番、自分一人では手がつけられそうにない」と感じていたため、体験授業は英語でスタートしました。
それまでのレイ君は全く勉強してないわけではなく、それなりに時間を掛けて勉強しているのに成果が出ないという状況でした。そんなレイ君の最初の授業では、今の状況を確認しながら進めます。

まずは一通り説明をしてみると、内容をスラスラと理解して、その場ですぐにできるのです。こういう生徒はうっかりミスを無くすだけでグーンと成績が上がるものなのですが、レイ君の場合は思わぬ所に落とし穴がありました。

単語をびっくりする位覚えていないのです。中1の最初に習った様な単語でさえ怪しい状況です。文法の問題は、説明するとその通りできていますが、念のため、少し時間を空けて「もう一度やってみようか?」と言うと、「あれ?どうやるんだっけ?」という状況。どれもこれも自信がなくて曖昧です。習った直後に機械的に解くことはできても、時間をおくと忘れてしまっている。レイ君はそんなタイプでした。

この授業の後、レイ君はまだ体験が3回残っているにもかかわらず入塾申込書を持って来ました。実はこの初回の授業では、既にわかっているはずの簡単な内容でも、いきなり問題を解かせるようなことはせず、一つ一つ解説をしてから問題を解かせるようにしました。 この授業の進め方がレイ君にはとってもわかりやすく、気に入ってくれたみたいです。

さて、正式に入塾して、ナビで成績アップを目指すことになったレイ君。ただ、この時既に8月の後半に差し掛かった時期でした。
つまり、次のテストまで残り1か月程しか時間がありません。時間的に考えて、テスト範囲すべてを万全に対策してテストを迎えることはほぼ不可能です。であれば、限られた期間に、勉強する内容をかなり絞り込んで進める必要があります。

レイ君の場合、昔習った単語や文法が全然できていませんでしたが、だからと言って昔の内容に遡って勉強している時間は残されていません。
「時間がないのだから、次のテストは成果がでなくても仕方がない」という考えが頭をよぎります。でも、塾に入って最初のテストは「何としても成果を出さなければならない!」と考えるのがセオリー。
なぜなら、この最初のテストでは、生徒本人も少なからず期待をしているもの。「もしかしたら成績が上がるかも!?」なんて具合に。
うまく成績が上がると、「やればできるんだ!」と自信がついて、その後の勉強のやる気が格段に上がります。逆に期待を裏切ってしまって成績が上がらないと、表面的には「そんなすぐには上がらないよね」みたいに振舞っていても、「俺アタマ悪いから」となって、その後のやる気が撃沈してしまう恐れがあるのです。

ですから、限られた時間ではあっても、出来うる限りのことをやりきらなければなりません。
そのためには、一番効率良く点数に繋げられる勉強方法に絞り込むことが必要です。
そこで、最初に決めたことは「やる事」ではなく、「やらない事」。「どこを捨てるか?」から始めました。レイ君の場合は、教科書の本文理解を「やらない」と決めました。「本文をやらないなんてありえない!」と思われるかもしれません。
ただ、英語の場合、本文を訳せる様にしておけばそれだけでできる問題はよく出てきます。でも、そのためには膨大な量の本文についての勉強をやりきらなければなりません。本文がそのままテストで出ると、知っていればすぐに答えを書けるので、すごく勉強が役立った気になってしまうのですが、そのための労力を考えると、決して効率の良い勉強の進め方とは言えないのです。

それに、レイ君の様にこれまでの積み重ねがほとんど無い状態で本文の勉強をやろうとすると、1文ごとにつまずいてしまって、とてもじゃないけど全部のテスト範囲に対応しきれなくなってしまいます。 それよりは、暗記は「単語」だけ、ルールの理解は「文法」だけに的を絞る方が効率的なのです。もちろん本文理解をまったくやらないというのはあくまで緊急措置であって、通常ではあり得ない対応です。

それともう一つ。レイ君は学校のワークに全然手をつけていませんでした。ただ、塾でここまで対応する時間は、今回はありません。そこで、この部分についてはレイ君のやる気にかけて、自宅でやるように宿題として指示を出してやらせました。やり方についてはあまり細かく指示をしませんでしたが、ここはレイ君なりに頑張って自分でやってきました。

そしてあっと言う間に2学期の中間テスト。正直言って、テスト範囲を中途半端にしかできずにテストに送り出すのは、塾の人間として非常に辛い事。後はレイ君の頑張りを祈るのみです。そうは言っても、そんな素振りをレイ君に見せる訳にはいきません。目標点は強気に36点から14点アップの50点。本人もその気です!

さて結果は?と言うと、何と52点!この準備で16点アップは上出来です。レイ君もチョット嬉しそう。でも、目標まで行かなかったことを悔しがってもいます。素晴らしい!成績が上がっても、まだ上を見ています。お母さんは一言「上がりましたね~」と驚いた様子です。とりあえず最初の関門はクリアできました。
とにかく今回は「やっても上がらない」と思わせてしまう事だけは避けたかったので、そうならなくて一安心です。
とは言え、中間から期末まではあっと言う間です。すぐ次への準備をしなくてはなりません。

そこでテスト後、最初にやった事は「テスト分析」です。その進め方は、できそうでできなかった所を本人と一緒に確認します。この本人と一緒にと言うところがテスト分析のポイント。「こことここが取れれば 〜点だったね!」という具合です。これをやると自分がどんな間違いをしているかが客観的に見られますし、実際に点数アップする方法がイメージできるのです。 テストが終わるとそのテストをポイと捨てちゃう子がいますが、それでは中々成績アップできません。「次のテストで同じ問題が出るわけじゃないでしょ!」と言う子もいますが、それだと次も同じミスを繰り返してしまうのです。

さあ次のテストまでは2ヶ月弱。本来ならテスト範囲の勉強はテストの3週間前までに終わらせるスケジュールで進めますが、今回もその余裕はありません。ただ前回とばした本文の勉強を、今回は全てやる計画です。

まず「単語」。レン君はとにかく覚えるのが苦手なので、毎回の授業の中に単語テストを取り入れて、少しずつ繰り返し覚えていきます。 この単語テストは、この先ずっと続けていくのですが、やり始めた時は、覚えた単語も、しばらく経つと忘れたりしていたのですが、2年生の学年末を迎える頃には単語テストは毎回パーフェクトにできる様になりました。

話を2学期末に戻します。この時は、中間テストの時よりは勉強時間を確保できたものの、それでもテスト範囲を一通り終えるので精一杯でした。ただレイ君自身がこの辺りからやる気モードになってきて、授業の日は、1時間位前に教室に来て、自習室でワークや単語テストの勉強をやるようになったのです。
そこで次の期末テストの目標点は、本人とも相談して中間テストの52点にプラス18点の70点に設定しました。レイ君やる気です!

その結果はと言うと61点。前回からはプラス9点。元々の30点台からは随分とジャンプアップできました!ところがレイ君、今回は全然嬉しそうじゃありません。むしろ悔しそう。レイ君は「もっといけると思っていた」みたいです。先生としては内心「よく頑張った!」と思いつつも、一緒に残念がります。次のテストが楽しみです。

お次は学年末テスト。出題範囲が広がるので攻略は容易ではありませんが、なんと言っても今回は時間があります。その上冬休みも。ここで勉強のペースを正常にして、確実な成績アップを狙いたいところです。

まずは冬休み。ここでは、1年生の内容に遡ります。これまでは中1の内容をすっ飛ばして進めてきたので、とにかく残念なミスがたくさんありました。3人称単数のsが抜けたり、一般動詞とbe動詞の使い分けができてなかったり。
もちろんこうしたミスが出る事は予想通りなのですが、将来の入試を見据えた場合、こんな危なっかしい状態のままではいけません。
そこで冬休みを使って、徹底的に1年生で習った基礎の復習をしました。後は学習のペース管理。今回は何としても3週間前までにテスト範囲を終わらせて、じっくりとテスト対策に時間をかけるつもりです。

さて、予定していた通り3週間前にテスト範囲は無事終了。ここからはテスト対策に全力を注ぎます。本格的にテスト対策するのは今回が初めてです。このテスト対策で重点的にやった事は「過去問」の活用。この過去問は、同じ様な問題が出ることを期待してやるのではありません。
どうせテストを作る先生が変われば、問題なんてガラッと変わってしまいますから。
それでも過去問を使うのは、ここで「時間の使い方」をしっかり練習するためです。テストの本番で実力を発揮できない子は、多くの場合、時間の使い方で失敗しています。
例えば、テストの前半で時間がかかりそうな難しい問題が出てきたら、ベストの対応は後回しにする事。
でも、これをせずに時間を使ってしまい、しかもできないとなってしまうと、この後は時間のプレッシャーが重くのしかかってきます。

結果として、できるはずの問題でミスを連発する。こんなパターンにはまらないように、過去問で、テスト本番と同じ様に時間を決めて練習をしておくのです。
今回のレイ君はここまでやってテスト本番を迎える事ができました。さてその結果は?

次の授業日、レイ君は脇目も振らずに私の方に歩み寄ってきます。そして無言でテストを差し出しました。見ると「82点!!」。入塾前からだとプラス46点の快挙です。教室内は大歓声が湧き上がりました。テスト後の本人のコメントは、「手応えはあった!でもここまで上がるとは思っていなかったから正直驚いた!」

塾長が見る勉強のポイント

レイくんの様に、テスト対策のやり方がわからないまま、闇雲に勉強している子っていうのはすごくたくさんいます。
こういう勉強を続けていると、その内やる気が無くなってしまって、全然勉強しない子になってしまいます。
その前に、きちんとテスト対策の流れを作ることができたのは、とても良かったです。
そして、レイくんも、指示された通りの勉強を頑張りきれたことが、大きな点数アップに繋げられた要因でしょう。

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マジナビ 奇跡を生んだ勉強法親子と先生の成長物語 ~Another story~

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